Ciao,AlfaRomeo [♡AlfaRomeo]
昨日、車内に散らばっていた荷物をゆっくりと片付けた。
今日の天気予報が雨だったし、明日は時間がないからなぁと思ったからだ。
仕事道具に埋もれたトランクルームは、土やホコリで汚れてしまっている。
掛矢（かけや、でかい木槌みたいなもの）をはじめとして
スコップにショベルに木杭、ビニールテープにガムテープ、雨具にゴム長靴。
およそAlfa159には似つかわしくない仕事道具の数々。
今度のクルマはこんなにたくさん載らないなぁなんて思いつつ、
ホントは困るところなんだろうけどドントウォーリーで気にしない気にしない！
■ART FILTER■Rough Monochrome■
ワタシは自分のクルマをキレイに洗ってあげるのが好きだ。
仕事で道具としてこき使って、
ボディが泥だらけになるような荒れ地を走って、
ホイールハウスにその泥がこびりついて落ちないくらいガシガシ使って、
もちろんワタシの靴についた泥のカタマリが車内に入り込んで
運転席のシートマットは砂利や泥で見るも無惨になる。
そうやってAlfaRomeoであっても一道具として使い切って、
その後自分自身でその泥汚れを落としてやる。
トランクルームや車内をキレイに掃除してあげる。
ホイールハウス内のこびりついた泥を、水圧高くして落としてあげる。
ひとつひとつの泥のカタマリを、
ボディを傷付けないように大量の水を含ませながらそろりそろりと流し落とす。
ワタシは、クルマとのそういう付き合い方が好きだ。
大事にしすぎるあまり宝石のように慎重に扱うでもなく、
無頓着に汚れを放置したまま雨ざらしにするでもない。
使って使って道具として付き合うけれど、
でもいつも気付けばピカピカになってシレッとしている。
そんな時こそ、ボディに映り込む写真を撮る絶好機だ。
Alfa159の美しいデザインに、ワタシは数々の風景や季節を映り込ませて来た。
■ART FILTER■POP ART■
今でも、誇張でもお世辞でもなくAlfa159は
ワタシの考えうるボディデザインの中でセダンとして最高のデザインだと思う。
曲面のうねりを多用して有機的な印象を与えるでもない。
凝ったグラフィックのテールやヘッドライトで人の目を釘付けにするでもない。
あり得ない低い車高でスポーティに印象づけるでもない。
シンプルな面であり、必然的な面で構成されたAlfa159のデザイン。
バウハウス的。
とまで大げさに叫ぶ気はないけれどすべての線と面に曲芸的な演出は皆無だ。
どの面もどの線も、まるで必然であるかのようにただそこに在る。
当たり前を積み重ねたようなデザインだ。
ヘッドライトは今や主流になってしまった鳥類や魚類のような
視野がどこにあるのかわからないデザインではなく、
３連のライトがまっすぐに前を見やっている。
フロントフェンダーの豊かさは前輪駆動であることを隠すでもなく、
”オレはFFなんだ””その中でFFだからこその美しさを追求したんだ”と言わんばかりだ。
ボンネットとAピラーを繋ぐ根元。
サイド上部に貫かれたキャラクターラインは、絶妙な緊張感を持っている。
熟れ切ったAlfa166の面とも違えば、跳ね回りそうなAlfaMITOの凝縮感とも違う。
敢えて言えば三、四十代くらいの働き盛り男盛り女盛りの肢体、だろうか。
唯一惜しむらくは、ほんの少し張りすぎているところか。
本来は"５"や"E"と戦うべく作られたGMと共同開発のプレミアムプラットホーム。
当初の予定であればサーブ9-5あたりと共用だったであろうシャシー。
AlfaRomeoも当初Alfa166後継に使うつもりだったであろうシャシー。
現在、そんな贅沢な設計のシャシーを使っているのはAlfa159、Brera、Spiderのみだ。
本来はもっと上のクラスのクルマのためだったシャシーをベースにしているため、
どうしてもトレッドがワイドすぎた。
多分そのトレッドに併せてデザインされたのであろう。
これがDプレミアムセグメントであるAlfa159ではなく、
Alfa166後継として全長4.8mでデザインされていたらどれほどの美しさだったことか。
今やそれは、見る事の出来ない夢物語でしかないのだが……。
■ART FILTER■Rough Monochrome■
考えてみればAlfaRomeoに乗っていたこの８年間で、
ワタシのクルマに対する趣味嗜好も少し変わって来たように思う。
AlfaRomeoっていわゆる一般受けが良いクルマとは言えない。
「オッシャレー！」なんて思う人は居ないだろうし、
クルマに詳しくない人が見ればいかがわしくも見えることだろう。
でもコレだけはひとつ、言える。
オレは、クルマ馬鹿だ！
たぶん誰でも、それだけは同意してもらえるのではないだろうか。
少なくともAlfaRomeoに乗っているような人は、クルマ馬鹿だ。
クルマ馬鹿であることを隠そうともしていない。
それどころかそれを周囲にさらけ出して、なおも飛び切りの笑顔で返すようなクルマだ。
その屈託のない笑顔のトリコになった人が、AlfaRomeoに乗る。
ワタシは８年間、その笑顔のトリコになってきた。
あくまで書くだけの絵空事だけれど今のワタシは
自分で大切なオカネを出して買うのであれば、
少なくともクルマ馬鹿だと大声で叫んでいるようなクルマに乗りたい。
いくら優れたクルマでも、ドイツ車にそれは望めない。
フランス車も、日本では近年のプジョーの大成功によって、
ここ日本では「クルマ馬鹿だ！」と叫んでいないようにワタシは感じ始めている。
シトロエンもルノーも、コッソリとクルマ馬鹿であることを隠しているように見える。
日本車だったら、マツダならワタシの希望を叶えてくれるかもしれない。
スバルだったら、心揺さぶってくれるかもしれない。
トヨタには、初代エスティマや初代ヴィッツのような驚きを再び感じさせて欲しい。
ホンダには、少なくともスポーツカーを作ってくれと言いたい。
先代アコードユーロRを一代限りで消滅させないで欲しい。
もうちょっと大人の鑑賞に足るシビックタイプRを作って欲しい。
日産にはこのままフェアレディZを作り続けて欲しい。
８年間、アルファロメオの屈託ない笑顔に騙されて来て良かった。
AlfaRomeoに乗ることが出来て本当に良かった。
８年前に勇気を出してAlfaRomeoを選んで良かった、心からそう思う。
■AlfaRomeo_Alfa147_1.6TS_Distinctive_3DR_5MT_LHD_NeroFuocco■
■DATE■2002/09.15■FinePixF401■
はじめてのAlfaRomeo、このAlfa147とは至るところへクルマのイベントに足を運んだ。
仲間とのツーリングもたくさんした、思い出いっぱいの一台。
■AlfaRomeo_AlfaSpider_3.0V624V_6MT_RHD_Blu Lightning■
■DATE■2005.08.03■FinePixF10■
案の定、我が元に彼の居場所はなく、さらなる生活スタイルの変化も手伝って
すぐに手放すことになってしまった……今でもこのデザインが大好きだ。
■AlfaRomeo_NuovaAlfa147_1.6TS_5DR_5MT_RHD_Grigio Navona■
■DATE■2005.09.08■FinePixF10■
ただ色遣い（シルバー＆黒内装）に妥協したことを最後まで引きずってしまった……。
今でも147（特にオリジナルフェイス）は大好きである。
■ART FILTER■LIGHT TONE■
たぶんカーナビに登録されたいろんな仕事先とかレジャー先、目的地を消し、
アルバムにして１００枚近く取り込んだHDDミュージックを消去するとき、
いよいよAlfaRomeoとのわかれと、新しいクルマとの出逢いを実感するんだろうなぁと思う。
■ART FILTER■DAY DREAM■
とは言えいつかまた、AlfaRomeoに帰ってくるんだろうなという予感は、
今言うのも何だけど少しはある。
だってアルファロメオに変わる存在のクルマって、本当に世の中には少ないのだから。
だから少なくともその時には、アルファロメオであることを忘れないで欲しい。
インポーターには、
少なくともマニュアルシフトと自由に色を選ぶことの出来る権利を残しておいて欲しい。
でも今度付き合うことになる相棒も、
とびっきりのクルマ馬鹿でキュートでセクシーで愛らしいヤツだ。
AlfaRomeoとは、しばしのお別れ。
今まで本当にありがとうAlfaRomeo、ルビィ色のAlfa159。
こういう時、イタリア人だったら何て言うのかな。
そうだな、こんなカンジなのかな。
Arrivederci, Ciao!! il mio AlfaRomeo!!
ワタシはイタリア人じゃないからあんまり自信はない。
だから改めて。
またね！俺のアルファロメオ！！！
■ART FILTER■Rough Monochrome■
■AlfaRomeo Alfa159 2.2JTS 6MT RHD_Turismo Package
■Rosso Rubino & Sand Beige Leather
■2006.07.31 - 2009.05.23
■走行距離：34,550km
■平均燃費：6.58km/L
■最良燃費：12.54km/L(2009.05.11)
■最悪燃費：5.22km/L(2007.09.29)
■無給油最長走行距離：668km(2006.09.24：59.97L)
■PHOTOS■
■DSLR■Olympus E-30
■LENS■Zuiko Digital 14-54mm F2.8-3.5 II
■DATE■2009.05.14
Facebook コメント
SERIE nalfalfa
■激辛naltaBASCO■
■LOVE AlfaRomeo■
■LOVE ABARTH■
■これは完全なる実話だ！■
イロイロ
■CONTATORE■
●apra!●26th,JUL.2006●
●apra!●26th,JUL.2006●
nalさんの横だったんだ懐かしい・・・。
ボク自身、クルマそのものは相変わらずなんですが
クルマイベントも少なくなって向き合い方や
熱の入れようはあの頃にくらべ変わってしまいました。
いつまでもどこまでもって難しいですが、
またどこかでくつわ並べられる日がくるのを望みます。
そして新しい相棒のお話を聞かせてください。
by みずの (2009-05-22 16:42)
僕も断言しよーっ！
僕だって『クルマ馬鹿だーっ!!』
そろそろAlfaRomroとのお別れですね。
お気持ち、判りますよ。
でも。
新しい相棒との、新しい出会い。
これもまた事実であり、そして楽しみです。
nalさんが、どの様に新しい相棒を紹介してくれるのか
とーっても楽しみにしてます（*￣∀￣）"b"
↑
プレッシャー？ｗ
ちなみに。。。
3枚目の写真。
妙〜に...ロッソじゃないっすか？
by ghie (2009-05-22 17:37)
えー、私はクルマバカじゃありませんよ（笑）
ちゃんと隠してますよーーー
なんとも最後って感じがしてきましたね。
私も別れはなんとも不思議な感じでした。
しかもnalさんにとってのアルファとの別れ。。でもアバルトの”シーズン”はアルファへの愛の確認の瞬間のような気がしますね。このあとも”nalfarfa”から目が離せませんな。。。
ちなみに私も赤色の発色が気になりました
by alessandro (2009-05-22 22:54)
なんだか、ストレートな心が見える気がしました。
またね。。。。。。。。。
と言いつつ、
ませらーてぃ、とか買っちゃったりしてw
わくわく。
にしても、
フランスのどこかすかした感じ（それがイイ）
ドイツの固い感じ（だがそれがイイ）
イギリスの強いこだわり感（ハマるとこえー）
北欧のどっか懐かしい、暖かい感じ（身をゆだねると戻れないかも）
はたまた、日本の嫌みをトコトン嫌った空気になりたい感
そんなこんなとは明確に違うイタリアのクルマ。
いいものですね、クルマ趣味ってのは。
by アキオ (2009-05-23 01:29)
あ、、一つ前の記事。
言葉たらなかったみたいで、
訂正しとります。。
ごめんなさい。
by アキオ (2009-05-23 01:35)
何だか泣きそうになっちゃいました…
by JOHN (2009-05-23 08:08)
でもあれですよね、またそのうち、新しいアルファとの出会いが待っているんでしょ？
今後の記事を期待しております。
by ｅｄｄｉｅ (2009-05-24 22:23)
洗車しよう・・・と思いました。
by poi (2009-05-25 01:05)
＞みずのさん
そ、そっかぁ気付きませんでしたスミマセン……。
ココロにストレートに刺さってくるという意味では、今回がいちばん運転しながらニヤニヤしてます…たぶん気味わるいっす（笑）
＞ghieさん
画像下部なんかに「POP ART」表記のあるヤツは、オリンパスのE-30&E-620に搭載されているアートフィルターのポップアートを適用した写真なんです。コレ、特に赤が彩度めちゃ高になるのでロッソっぽくなりますね〜。若葉もほとんど蛍光グリーンです（笑）
＞alessandroさん
いったんきっちりケジメを付ければ後は、次！です！
もう小悪魔ちゃんにメロメロでございます。
＞アキオさん
なんて上手いコメント！！！そうそうその通りそんなカンジです！！その中で今の自分はどこに好みがあるのか、っていうだけの問題で。少なくとも特色イロイロな状況ってのはシアワセ以外の何者でもないですよね〜♪あ。あと補足ありがとうございました！
by nal (2009-05-25 11:05)
＞JOHNさん
次記事でサクっと本人は立ち直ってて、スミマセン……。
＞eddieさん
たぶん将来は帰ってくると、思われます（苦笑）
＞poiさん
しましょうしましょうこれからの季節はダイエットにも最適！
by nal (2009-05-25 11:11)