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I Want You Back [映画音楽本とか]

憧れたヒーローたちと自分を重ね合わせる、なんてことは誰にでもあると思う。
 
今はもうそうそう無いのだけれど、
昔は目上のヒーローを目撃するたびによく自分と重ね合わせたものだ。

私が15歳の頃の尾崎豊は、20歳前の少年だった。
彼は私が20歳を過ぎた頃に26歳の若さでこの世を去った。
20歳を過ぎた頃の私は、26歳になった自分を強烈に意識した。
26歳の私はどんな自分になっていてどんな事をなし得るのだろうか。
  
なんだか卑しい考え方みたいだけれど、それでも生きる力になっていた。
 
今だったらそうだ、松井秀喜だ。
めちゃくちゃ野球好きでも無いのだけれど、松井秀喜だけは気になっていた。
プロ野球中継は見なくても、松井秀喜のニュースはwebでチェックしていた。
夏前の屈辱を味わっていた季節から、爆発を見せ始めた8月の終わり頃。
そしてワールドシリーズの伝説。
  
ずっとずっと松井秀喜のことが気になって仕方がなかった。
彼は、私よりも年下だ。中学高校がかぶっていないほどに年下だ。
それでいてどうだろう。
自分と比較すること自体が失礼な話だけれど、私はよくそんなことを考えてしまう。
   
それは清原和博についてもそうだし桑田真澄についてもそうだ。
彼らが夏のテレビの中でスーパーヒーローだった姿を
中学生だった私はリアルタイムで見ていた。
PL学園の校歌をそらで歌える友人なんてそれこそゴロゴロ居た。
あの時も、数年後に清原や桑田と同い年になった自分は
何をしているんだろうなんて考えていた。
  
  
  
でも最近はそんなことを考えることは少ない。
少ないというか下の世代の活躍に驚くことのほうが多い年代になってしまったからだろうか。
今だったら松井秀喜や石川遼の活躍に我が身を振り返ることの方が、正直言って多い。

”この年でこの凄さはどうだ……”なんて年寄りのひとりごとみたいだ。
  
 
 
 
 
しかし昨日、私は久しぶりに道しるべみたいな人を目撃した。 

 
 
 
マイケル・ジャクソン THIS IS IT(1枚組通常盤)

マイケル・ジャクソン THIS IS IT(1枚組通常盤)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: SMJ
  • 発売日: 2009/10/28
  • メディア: CD


  
 
 
 
絶対観たいと思っていたから、
終演までには何とか時間を作ってやると思っていた。
昨日、2時間をようやくやりくり出来たのでそそくさと劇場へ。
  
詳細はいい。 
観た人にしか、そして共感出来た人にしかわからないだろうから。
 
少なくとも私は、思わず涙がこぼれそうになってしまった。
 
"I Want You Back"と"Man In The Mirror"の前奏が始まった時だった。
劇中の中ではそれほど涙を誘う場面でも無かった気がするのだけれど、
でも自分の中で何かがこみ上げてしまったのだから仕方が無い。
  
そして"Billie Jean"のダンス。
  
  
彼は50歳でこの世を去った。
スクリーンに映し出されていたのは、50歳の彼だ。
 
 
 
 
50歳だって!?
 
信じられない。
スクリーンに居た彼は、20年前MTVに引っ張りだこだった頃の彼そのままじゃないか。
私には、28歳にしか見えなかった。
  
彼のダンスは重力というものを無視した中に在るように見える。
筋肉を使っていないような、筋肉の収縮を感じさせないような、
タメや時間をいっさい感じさせない、彼だけが別の種であるかのような動き。
  
そんなダンスや歌自体はもちろんのこと、
彼が成し遂げようとしていたことに関わったすべての人たちの情熱に心うたれた。
 
 
”オレ、こんな50歳になれるのかな……”
  
 
 
あと10年少々したら、私は昨日観たマイケルと同じ年になるんだ。
   
私はイマジネーションやエンターテイメントの住人ではないけれど、
でも自分の生きる世界の中で彼のようになりたいと思った。
  
才能と狂気は紙一重ではあるけれど、
彼の才能と情熱と世に送り出したものは、彼でしかなし得ないものだ。

 
THIS IS IT.
 
観たい人は何としても観た方がいいと、素直にそう思えるMovieである。 
 


 


 




私がいちばん好きなPV。
最近事務所に一人で煮詰まっている時、よくこれを聞いて癒されている……。

 
 



↓これよりちょい愚痴……。

昨日はワタシの行く映画館はレディースデイ。
映画自体が込み合っていたのはいいとして、
上映中に彼が劇中でダンスして居る中、ふたつほど光ったものが視界に入りました。

携帯電話の画面………。
(たぶん)還暦前後くらいのオバサマがケイタイをパカッと開けてメールに夢中……。



出てけやコラァ!!!(怒)

ワタシの妄想による、オバサマ同士の会話!

「今ハヤリのマイケルの映画でも観に行かない?」
「いいわね、そうしましょう♩レディースデイで安いしね♩」
「でもスリラーしか知らないけど、まいっか♩」

 
  「……ええ?なんか知らない曲ばっかり、つまんないわ…あ、メールだ…。」

 
で、返信返信っすか?頼むわオバサン!!!


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ghie

"THIS IS IT"
先ずはCDを手に入れ、何度も聴き、そして先日映画を観てきました。
一曲目を終え・・・思わず拍手をしてしまいそうになった僕。
「あ。これはコンサートじゃないんだ。映画なんだ」と、寸止め成功。
そして、映画が終わり、やっぱり拍手をしてしまいそうになる僕。
nalさん同様、目が熱くなっていました。

僕、彼の熱烈なファンと言う訳ではないけれど。
でも、思い返せばいつでも、どんな時でも、彼の”歌”は側にいました。

4年後、僕は彼の年齢になります。
by ghie (2009-11-12 14:35) 

アキオ

マイケルを整形させたのは世間だ。。
いつまでも同じイメージを彼に求めたからだ。。
なんて声もありますが、

中学生くらいのときに(なるかならないか、かなー)
洋楽なんて知らなかったし、聞いても英語だしー。。
なんて思ってた頃に、出会った彼です。
世はpvの花盛り(いや、彼が火をつけたんですよね、当時はわかんなかったけど)
耳にしても、なんかいい感じの曲だなー、と思っただけで、
「やっぱりそれでも洋楽聞いてもピンとこないもんな」
なんて思ってたときに見た彼のビデオ、

はい、言葉も食わず嫌いも、なにもかもズッポリ取り去ってくれました、
それ以来、かれは周りがなんと言おうとオイラに取っては天才でした。
(私生活は私生活、カンケーネーよ音楽自体に、なんてねw)

しかし、あのビデオが好きなんですね。
わかりますw
by アキオ (2009-11-12 19:12) 

ゆっきぃ

イチローいっこ上、ゴジラ同い年。
すごーく考えさせられます、、、
人生は積み重ね。
彼らのミルフィーユとアタシのミルフィーユ
どのくらいの差があるんだろうとおそろしいです。
50歳、ニコニコ大らかに笑ってられるといいな・・・


・・・・って、こんなふうに言ってるからなんでしょうね(^^;
by ゆっきぃ (2009-11-13 10:22) 

ぱんだぞう

うちのだんなもまいけるになんて少しも興味を示していなかったのに
つい先日、マイケルってすごいんだなぁ、って感慨しきり。

んでね、ELTもすごいって言い出したから、

んじゃ、ドリカムは?   うん、すごい。
んじゃ、矢沢栄吉は?  うん、すごい。

nalさんみたいに奥深く考えてたわけじゃないだろうけれど
どうしたんでしょうねぇ。

by ぱんだぞう (2009-11-17 15:41) 

nal

>ghieさん
エンターテイメントとして言えば、あれは極上のコンサート状態ですよね。騒いじゃダメなのが困るくらい(笑)
しかも米にも関わらず抑制の聞いた演出でお涙頂戴な場面がまったくなくて、ホントにいい作品を見られたと思います。
>アキオさん
仮にもし”変な人”だったとしても天才は変だろうが人格者であろうがどっちでもいいとワタシは思います。
トップで走り続けている人は、なんだか持って生まれた役割みたいなものがあるような気がしてなりません……。
>ゆっきぃさん
貴乃花も同い年なんて!!!って友だちと盛り上がったりしませんでした?で、そーですね……ミルフィーユの差ですよね……一朝一夕には行かないですよね……ワタシも地道に頑張ります……。
>ぱんだぞうさん
MJはスゴイですよ!それは常識です(笑)
ELTもスゴイんですねぇ……うーーーーん…ワタシもそう思えるくらい成熟しなきゃイカンですね…毒吐いてちゃイカンか(反省…)

by nal (2009-11-18 10:22) 

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