駄菓子屋の息子 [映画音楽本とか]
もう30年近く前のことなんだから、
多少の美化を込めて書いても許されるんじゃないかと思って、書く。
小学生の頃、どっちかといえば私は紛れもない優等生だった。
3年生くらいからはずうっと学級委員だったし、
4年生からは児童会の役員、5年生からは児童会長だった。
卒業式。
5年生のときは在校生代表で送辞を読んだし、
卒業するときは卒業生代表で答辞で答えた。
おまけに我が家は12歳まで、駄菓子屋だった。
学校が終われば誘う誘わないにかかわらず、友だちはみんなうちの駄菓子屋にやってきた。
河川敷沿いの駄菓子屋の前の道路に白線を引いて、
みんなでドッジボールをやったり竹馬に乗ったり。
河川敷では秘密基地も作った。
何を隠していたのかは忘れてしまったけれど、
まあどうってことないくだらないものを隠してたんだろう。
私は、いつも友だちに囲まれてそれが当たり前だと思っている子供だった。
11歳、小学校5年生。
この頃になるとませたガキは出てくるもので、
神社でたばこを吸ったり兄貴の部屋からエロ本をくすねてくる友だちも現れるようになった。
同級生の女の子のことばかり考えているようなやつもいた。
日曜日になると私を誘ってお目当ての女の子の家へ遊びに行ったりってこともあった。
そんな中、我が駄菓子屋で事件は起こった。
万引きだ。
うちの駄菓子屋にきている子供は8割方は同じ小学校のやつだった。
ほかの駄菓子屋さんでも万引きがあって、
それが問題になって小学校で取り上げられたりしたのだ。
僕の友だちでそんなことをするやつなんているはずがない。
私は心の片隅にも疑いなんて持たなかった。
そして”駄菓子屋の店員”である母も誰も疑わなかった。
その後、事件はうやむやのまま終わったのだと記憶している……。
いつのことだったのか詳しくは思い出せないのだけれど、
あれはきっと小学校6年生か、中学校1年生か。
この2日ほどで私は”20世紀少年”を3話ぶっ通しでみた。
そのとき急に思い出したのだ。
思い出の中では自分でも優等生だったなあと思いこんでいた、自分。
映画を見ながら思い出したのはそんな自分の闇。
あの頃私は、2度ほど母の財布からお金を抜き出した。
いったい何が欲しかったのかさえも今では思い出せない。
でもお金を抜き出してから1ヶ月やそこらは気持ち悪いまま過ごしていた気がする。
見つからないようにと思っていたのか、それとも叱ってくれと思っていたのか。
見つかった方が気が楽だったのかそれで許してもらいたかったのか。
とにかく今思い返してもあんなに後味の悪い時間はなかったことだろう。
でも、結局私は何の詮索も受けずに私の闇は表に出ぬまま流れ去った。
気づかなかったのだろうか。
いやきっと気づいていたんだろう、でも言わずにいてくれたのだろうか。
誰でもきっと触れられないままに過ぎていった闇みたいなものがある。
私はいじめたこともいじめられたこともないような人間だったし
いじめられている友だちとも比較的話をするような典型的優等生だったけれど、
でもその友だちは「話をする」だけじゃなくて助けて欲しかったのかもしれない。
正義の味方が現れるのを毎日願ってたのかもしれない。
いいもんもわるもんも、表と裏。
わるもんになるよりも、いいもんになるほうがずっと楽だ。
決して傑作だと言うつもりはないけれど、
20世紀少年をぶっ通しでみていろいろなことを思い出した。
<関連記事>
2005.03.12「川に落っこちた」
http://nalfalfa.blog.so-net.ne.jp/2005-03-12
多少の美化を込めて書いても許されるんじゃないかと思って、書く。
小学生の頃、どっちかといえば私は紛れもない優等生だった。
3年生くらいからはずうっと学級委員だったし、
4年生からは児童会の役員、5年生からは児童会長だった。
卒業式。
5年生のときは在校生代表で送辞を読んだし、
卒業するときは卒業生代表で答辞で答えた。
おまけに我が家は12歳まで、駄菓子屋だった。
学校が終われば誘う誘わないにかかわらず、友だちはみんなうちの駄菓子屋にやってきた。
河川敷沿いの駄菓子屋の前の道路に白線を引いて、
みんなでドッジボールをやったり竹馬に乗ったり。
河川敷では秘密基地も作った。
何を隠していたのかは忘れてしまったけれど、
まあどうってことないくだらないものを隠してたんだろう。
私は、いつも友だちに囲まれてそれが当たり前だと思っている子供だった。
11歳、小学校5年生。
この頃になるとませたガキは出てくるもので、
神社でたばこを吸ったり兄貴の部屋からエロ本をくすねてくる友だちも現れるようになった。
同級生の女の子のことばかり考えているようなやつもいた。
日曜日になると私を誘ってお目当ての女の子の家へ遊びに行ったりってこともあった。
そんな中、我が駄菓子屋で事件は起こった。
万引きだ。
うちの駄菓子屋にきている子供は8割方は同じ小学校のやつだった。
ほかの駄菓子屋さんでも万引きがあって、
それが問題になって小学校で取り上げられたりしたのだ。
僕の友だちでそんなことをするやつなんているはずがない。
私は心の片隅にも疑いなんて持たなかった。
そして”駄菓子屋の店員”である母も誰も疑わなかった。
その後、事件はうやむやのまま終わったのだと記憶している……。
いつのことだったのか詳しくは思い出せないのだけれど、
あれはきっと小学校6年生か、中学校1年生か。
この2日ほどで私は”20世紀少年”を3話ぶっ通しでみた。
そのとき急に思い出したのだ。
思い出の中では自分でも優等生だったなあと思いこんでいた、自分。
映画を見ながら思い出したのはそんな自分の闇。
あの頃私は、2度ほど母の財布からお金を抜き出した。
いったい何が欲しかったのかさえも今では思い出せない。
でもお金を抜き出してから1ヶ月やそこらは気持ち悪いまま過ごしていた気がする。
見つからないようにと思っていたのか、それとも叱ってくれと思っていたのか。
見つかった方が気が楽だったのかそれで許してもらいたかったのか。
とにかく今思い返してもあんなに後味の悪い時間はなかったことだろう。
でも、結局私は何の詮索も受けずに私の闇は表に出ぬまま流れ去った。
気づかなかったのだろうか。
いやきっと気づいていたんだろう、でも言わずにいてくれたのだろうか。
誰でもきっと触れられないままに過ぎていった闇みたいなものがある。
私はいじめたこともいじめられたこともないような人間だったし
いじめられている友だちとも比較的話をするような典型的優等生だったけれど、
でもその友だちは「話をする」だけじゃなくて助けて欲しかったのかもしれない。
正義の味方が現れるのを毎日願ってたのかもしれない。
いいもんもわるもんも、表と裏。
わるもんになるよりも、いいもんになるほうがずっと楽だ。
決して傑作だと言うつもりはないけれど、
20世紀少年をぶっ通しでみていろいろなことを思い出した。
<関連記事>
2005.03.12「川に落っこちた」
http://nalfalfa.blog.so-net.ne.jp/2005-03-12
すっごくよくわかります。
なんつーか、、、ありますよねいろいろと。。
by アキオ (2010-03-23 18:33)
子供の頃って、優等生も問題児も実は表裏一体なのかもしれませんね・・・(いや、大人もそうかな)
私もいわゆる「優等生」でしたが、もちろん人には言えないような「闇」はいくつも^^;
子供ってそういう生き物なのだと思って、大きな心で大人が受け容れてあげたら子供ってもっと楽に生きられるのかなぁ。「うちの子にかぎって」というような事件も減るのかなぁ。
by のんのん (2010-03-23 23:53)
>アキオさん
映画、3話連チャンで観た方が確実に面白いです。おヒマな時、どうぞっ。
>のんのんさん
けっこう親ってがんばってしまうもので、ぜんぶきちっと見がちなんですけど最近はゆるぅーっとやってます。その方がおだやかかな、みたいなかんじで。
by nal (2010-03-24 16:20)