セイシュンのお届け物 [おもいでがたり]
今朝いちばんに届いた宅急便。
そそくさとその段ボールを開けると、
私は頬の緩みを抑えきれぬまま、まじまじとその中身を見つめていた。
これはトートバッグ、いやエコバッグだろうか?
そしてその段ボールにはさまざまな物が詰め込まれていた。
トートバッグにTシャツ、そしてレトルトカレーが5つ。
プリントされている文字が、見えるだろうか?
発送先は、今や日本全国津々浦々に店舗を展開されている、
「遊べる本屋」のヴィレッジヴァンガード。
本当にどこに行っても目にするくらい、たくさんの店舗がある。
そして以前にも書いた記憶があるのだが、
その第一号店は、私が通った大学のすぐ近所にあったのだ。
まだこの世に一店舗しかしなかった学生の頃、
私は授業の合間に本当によく通ったものだった。
2階の奥に、他では見られないクルマの洋書や、
廃版になったクルマのカタログなんかが大量に並べられていて、
時間があればそこに居座って立ち読みに励んでいた。
長い時は、2時間くらいは居座っていたような気がする。
そんな、私にとって特別な思い出のあるヴィレッジヴァンガード。
そして私が就職した直後の頃、ヴィレッジヴァンガードに2号店が出来た。
幸運にもそれは、私の通勤路の途中にオープンしたのだった。
嬉しくて嬉しくて、意味もなく2号店に通い詰めた。
実は、冒頭のトートバッグにプリントされているのが、その2号店の店舗全景だ。
お店の形状がちょっと特殊で、
店舗に入るにはまず外階段で、2階に上がらなければならない。
入ると目に入ってくるのがビリヤード台、大量の雑貨が積まれている。
そしてそこから1階に降りる階段ホールから、
雑貨の王国みたいな景色が眼前に広がっているのだ。
本当にたくさんの事を知り、たくさんの物を買った。
ジッポのライター、オープンカー用のハンチング帽、
ORISの機械式腕時計、サイケな映像が編集された環境VTRのビデオ。
気分にさせてくれるオリエンタルなお香、etcetc...。
20代の私の青春の大切な1ページに、
このヴィレッジヴァンガードの2号店はあった。
そんな2号店、実は昨年初旬に閉店となった。
すでに足が遠のいていた私は、その事を知ったのも閉店後のことだった。
web上で、偶然にそのニュースを見かけたのだと思う。
一瞬言葉を飲み込んで、そして次の瞬間に20代の頃がぶわっと蘇った私。
閉店するのであれば、最後にもう一度行ってみたかったな、、、素直にそう思った。
そしてそれからすぐ、どんな経緯だったか覚えていないけれど、
その2号店がクラウドファンディングを行なっているのを知った。
私は、考えることなくすぐに出資、参加したのだった。
冒頭の写真は、その返礼品たちである。
トートバッグと、Tシャツ、レトルトカレー。
そして取り壊された2号店の、例の上がっていく階段を解体した時のコンクリート片。
「鑑定書」が付属しているところが笑わせてくれる。
今朝一番、完全に忘れていた私に届いた配達物。
その段ボールが、今日の私を考えられないくらい浮足立たせてくれている。
今日は朝から、とってもテンション高くて、そして頬が緩みっぱなしである。
こんなに無条件で嬉しいのは、クルマの納車当日くらいのものだろう。
20代の頃のセイシュンの欠片とともに。
今日はとっても良い日だ。
こんなに良い日は、滅多にあるものではない。
途中まで読んでて「2号店を買い取った」という話かとドキドキしました!
いや別にワタシがドキドキすることはないんだけどw。
by GEN11 (2022-06-17 17:45)
>GEN11さん
笑笑笑
どうしてそんな話に(爆笑!)
チェーン化する前のヴィレヴァンは、本当にマニアックだったんですよ〜店内にチンクだかビートルだかも置いてあって、噂では買うと言えば買えたらしいですよ。
by nal (2022-06-18 09:15)