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彼のすすむ道 [N&alfamiglia]

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こういう人生になるとは、想像すらしていなかった。
生きていると色んなことがあるなと、今なお現実感なく過ごしている。


昨年の我が長男の進学狂想曲から、1年が経った。
イコール今年の主役は、年子である次男だ。
 
2018.02.07「SAKURA満開」
https://nalfalfa.blog.ss-blog.jp/2018-02-07
2023.03.15「忘れない日々」
https://nalfalfa.blog.ss-blog.jp/2023-03-15
  
9年ほど前、つかみどころの無い性格の長男の刺激になればと
私立中学の資料を取り寄せたりオープンスクールに通った頃、
何故かいちばん刺激をもらっていたのは次男だった。
性格的に「別に近所の公立でぜんぜんやっていけるじゃん」と
思っていた親の気持ちとは裏腹に次男のハートはメラメラと燃え上がり、
気づけば次男は、長男と同じ中学に見事合格、兄弟で通うこととなった。
  
あれから何年か経ち高校生になった長男。
どうにもこうにも煮え切らず飄々とした長男に、
少しでも大学生活をイメージしてもらえればと2021年から、
旅行を兼ねて私たちはいろんな大学を見学に行った。
  
名前を書いてしまうが。
2021年春、大阪大学、神戸大学。
2021年秋、早稲田大学、明治大学、上智大学。
2022年春、京都大学、同志社大学、立命館大学。
  
いずれも長男の機嫌を損ねないように、
他に旅のメインイベントをくっつけて訪れた大学たちだ。
そして実は今、ここに書かなかった大学が2つある。
   
新型コロナ禍の21年秋、
予約入場制の学園祭の日に重なってしまい入れなかった某愛菜ちゃん福くん大学。
長男がその1度も見学しなかった大学にご縁を頂いたのも不思議な話だ。
    
そして同じ時にもう1大学、新型コロナ禍につき入場不可だった大学があった。
   
   
   
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正真正銘の冷やかしで、せっかく東京に来たのだからと立ち寄った。
残念ながら入場不可だったため、記念に有名な門で撮ったのが上の写真。
    
そして忘れもしない。
どうしても見学したがった様子の次男に、私はこう言ってやったのだ。
    
    
    
「そんなん入学してから堂々と入ればいいんだっつーの」
 
 
「ハハハ!」




もちろん語尾には笑い声、完全なるジョークだった。
    
しかし次男はこの時も、
勝手にメラメラと燃え盛ったのかもしれない、、、。
  
次男はマイペースで、コツコツと物事を進める性格だ。
サボるということはあまり無い。
けれど通う中学高校はあまりにもレベルが高く、
成績は学年の真ん中あたりをウロウロする程度。
優秀クラスと普通クラスのクラス分けも当然普通クラス、
高校3年生も普通クラスとなった。
  
  
「やれるだけの事はやって、
どの大学にも入れる学力を付けて、行きたい大学を選べるようになりたい」
  
彼はそう言った、そしてその通りにコツコツと地道に勉学に励んでいた。
けれど高校の中での立ち位置は変わらなかったし、模試の成績も変わらなかった。
 
しかし夏頃だろうか。急に志望校をあの大学に決め、
自らのロードマップを定め、そこに向けて頑張るようになった。
届きようの無い実力でありながらも、
「大丈夫、今はまだ途中だから」と言って親の心配なんて歯牙にもかけず、
自らの定めた道程を日々地道に進んでいた。
それは模試の成績がどんなに打ちのめされるものであっても、
最後の最後まで変わらなかった。
 
 
 
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私が付き添った長男の受験遠征は、なぜか全勝だった。
そのため次男の遠征はすべて私が付き添いとなった。
宿泊した東京ドームホテルからの30分弱の道程を、何度も2人で歩いた。
道中にあった神社には必ず立ち寄って、2人でお参りをした。
 
 
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日中はヒマなので、浅草寺にスカイツリー、それから何件か下宿先の下見にも出向いた。
私はとても合格できるとは思っていなくても、
合格する前提ですべきことは全てした。
二週間前の私立大学遠征時には、お台場で長男とランチしたりもした。
この2年で、東京のお上りさん名所はけっこう詳しくなった(笑)
 
 
最終日の試験終了後に迎えた次男は、非常に暗い顔をしていた。
一番得意で得点源だったはずの物理でありえないミスをしたらしく、
こんなんじゃあ絶対に受からないとか細い声でつぶやいた。
 
自宅に帰宅した翌朝、起きてこない次男が心配で様子を見に行ったら、
泣きながら一心不乱に前日の物理の試験問題を解いていた。
  
「今だったら解けるんだ、オレはこんな問題解けるはずなんだ」
 
号泣しながら机に向かいそして鉛筆を走らせる次男に、
かける言葉が見つからなかった。
翌日、立ち直ったのか諦めたのか、彼は切り替えて後期試験の対策に取り掛かっていた。
まわりが前期試験を終えて若干の開放感に浸る中、
次男だけは引き続き塾に通い、毎日後期試験の対策を続けた。
  
私は前期試験の結果を諦めたわけじゃないが
後期試験のためにホテルや交通機関を確保し、後期試験に役立つ情報を調べて回った。
我が家は、3月12日に甲信越地方の某大学を受験するものだと思っていた。
  
  
  
3月10日、志望校の合格発表の日。
受かっているはずがないからと、次男は1人で結果を見たいと言った。
結果、私は休日にも関わらず会社に行き会社のパソコンで、
妻は近所の神社まで行ってスマホで発表の時を待った。
 
 
 
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12時すぎ。
こんなにも声が裏返り手は震え、
自分の目で見ている事実が信用できなくて、
何度も何度も見返すような経験は初めてだった。
うわずったままの声ですぐに妻に電話したところ、
「本当に番号あるよね、間違いじゃないよね」と泣き声で伝えてきた。
   
   
彼は、本当に受かっていた。
彼の通う高校で、普通クラスでの唯一の合格者であり、
当然ながら合格者中の年間順位最末席者であった。
加えて言うならば、彼は全勝で受験を終えた。
私付き添いの受験全勝伝説は、潰えることなく続いたのだ。
  

努力が報われるとは限らないが、
努力なくば決して報われることは無い。
 
親でさえも半信半疑、頑張るなら応援するという感じで
次男の取り組みを見守るこの一年だった。
  
いつまでも爪を切らないだとか、リンスをしなくて髪がバサバサで叱られるだとか、
時にはカギを忘れたり、薬を飲み忘れたり、
配られたプリントはカバンの奥深くに眠っていたり、
私たちにとっては憎めない、抜けたところのある幼い次男のはずだったのに、
気づけば想像もできないような領域にまで届いてしまったようだ。

けれど今でも、
ちょっとボケていて幼い次男であることに変わりはない。
合格後、すぐに東京へ下宿探しに行った際も、
その後いろんなものを揃えたり書類手続きをする際にも、
彼のボケっぷりは変わらない。
 
これから一人暮らしをする彼が、とっても心配なのである、、。
 
  
  
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昨年から、
たくさんの神社仏閣に願い事をしに出向いた。
合格2日後に東京へ下宿探しをしに訪れた時にも、
受験の時に歩いた同じ道を再び歩き、
立ち寄った神社すべてにお礼をしてまわった。
残すは浅草寺と増上寺、そのとなりの芝東照宮かな。
また東京に立ち寄った際に、お礼に行こうと思っている。

昨年のRクンにつづいて、Hクンもやり遂げた。
自らの望む道を自らの手で掴み取った。
親なんかよりはるかに頼もしい兄弟の親でいられて、私は本当にうれしい。
来週から我が子と離れ夫婦2人の生活になってしまうけれど、
さびしい時は関東へ行って兄弟2人の家をハシゴしようと思う。


本当におめでとうだぜ、Hクン!
新しい生活を、とことん満喫してくれ!





<オマケ>
合格2日後の下宿見学の際には、
私だけ東京に残り長男のバイトする飲食店へ飲みに行ってきた。
 
 
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こ、こんなパーマあててるなんて聞いてないよ(爆笑!)
次男の合格に、長男もうれしくてそこら中で吹聴しまくったらしい。
なんだかんだ、仲の良い兄弟で何よりです。
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GEN11

すごいすごい!さすがnalさんの息子さんたちですね。たいしたものです。
ウチの子供たちの受験を思い出し、ドキドキしながら読みました。
nalさんもお疲れ様でした。おめでとうございます!
by GEN11 (2024-03-23 19:36) 

HIRO

こんにちは。
次男さんも合格おめでとうございます。
これから色々大変でしょうが、言うまでもなくしっかり援助&見守りをしてあげて下さい。
by HIRO (2024-03-23 20:40) 

nal

GEN11さん
受かっちゃったんですよーもうなにがなんだかわかりません。ワタシに何の貢献も無く彼が勝手に突き進んだ結果です。
T大生、才能ではなく究極に努力した凡人、というイメージになりました。才能ではなく努力を厭わない才能ですね。そういう意味では大尊敬です。

HIROさん
ありがとうございます!二週間経ってもまだ現実感ありません。いちおう一人暮らしは2人目なので、なんとかサポートしたいと思います!


by nal (2024-03-24 11:12) 

nal

>しんたろさん
っていうアイコンを15年ぶりくらいに見た気がします!!(驚)
by nal (2024-03-28 09:56) 

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