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”少しフシギな” [映画音楽本とか]

忘れもしない、小学3年生の頃。
同じ町内の友だちが自慢げに見せてくれたマンガ本。

ドラえもん。

ちょうどTV放映が始まったくらいの頃の話だ。
僕は仮面ライダーとかウルトラマンにも
あまり興味を示さないコドモだったけれど、
やけに友だちが勧めるので、
家の店先(駄菓子屋でした)に置いてあったマンガ雑誌を手にした。
  
面白い!!!
  
当時の僕にはめちゃくちゃ面白く思えたんだろう。
その後、ドラえもんの道具を解説した本なんかも読みあさって、
本屋の配達のおじさんに単行本も頼んだ。
母は放任主義な人なので、文句ひとつ言わず僕に漫画を与えてくれた。
その後、ひとつの漫画から作者へと興味が移るのは当然のことで、
僕は藤子先生の漫画を片っ端から探すようになった。
21エモンなんかが一番好きだった。
  
 
そんな藤子先生のひとつの短編集。
  
  

藤子不二雄少年SF短編集 (第1巻)

藤子不二雄少年SF短編集 (第1巻)

  • 作者: 藤子・F・不二雄
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 1983/12
  • メディア: 新書


 
 
発売が1983年になっているたいへん古い漫画だが、
おそらく僕はその1983年にこの本を購入し、現在も所有している。
ドラえもんや怪物クンなんかののほほんとしたイメージの強い作者だが、
SF短編も多数残している。
SFを”=少しフシギな”と解釈した短編たちだ。
これが人物描写やストーリー、エンディングも含めて、
非常に繊細でショッキングで時にブラックで面白い。
本当に、めちゃめちゃ面白いのだ。
   
  
「ひとりぼっちの宇宙戦争」は、
違う惑星から地球を略奪に来る宇宙人が、
宇宙憲法(だったか?)に基づいて無差別に一人の地球人を選び、
そのクローンを作成して戦争の代理として二人を戦わせる。
その1対1の代理戦争でクローンが勝てば地球を略奪できる。
地球人が勝てば宇宙人は撤退しなければならないのだ。
   
クローンを追いつめた地球人だが、
感情が邪魔をしてクローンに最後の一撃を加えることが出来ない。
なんせ自分のクローン(コピー)なのだから。
しかし、最後は自分の愛する家族や人たちのために…。
   
というお話。
中学生だった僕はマジで泣いた。
そして、藤子先生のSF短編集にはそんな話がギッシリと詰まっている。
  
 
今回この漫画のことを思い出したのは、
昨日3部作の映画を見ながら、
 
…めっちゃ好き…こーゆーのめっちゃ面白い……。
…スターウォーズとかキラいだし、SFチックなのあんま好きじゃないのに
…なんでオレはこの映画がこんなに面白いんだろう……?
 
と不意に感じたからだ。
 
昨日観たのは、この映画。

X-MEN トリロジーBOX

X-MEN トリロジーBOX

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • 発売日: 2007/01/06
  • メディア: DVD

 
 
今まで観たことがなかったのだけれど、
三部作が完結してトリプルパックでお値打ちになっていたので
つい衝動買いしてみた。
 
まぁ、完全無欠のアメリカンコミックの映画化だ。
作者はそんなに深いメッセージを込めて作ったわけじゃないかもしれない。
  
でも…ワタシには大変面白かった。
夜見始めたのでPART2までしか観られなかったけれど、
はやくFINALが見たくてしょうがない。
  
で、見ながら思い出したのが藤子先生のことだ。
  
SF=”少しフシギな”という解釈と共に、
藤子先生のこんなコメントを書籍か何かで見たことがある。
  
「本当にありふれた日常生活の中に、
一点だけ異分子を放り込んでストーリーを膨らませる。
それが僕らのやり方なんです。」
 
確かにそうだ。
ドラえもんだってオバQだって、21エモンだって異分子だ。
だけど、背景はすべてどこにでもある日常の風景。
異分子が入り込んだことで歪んだり膨らんだりする日常。
 
 
僕は、そういう”少しフシギな”物語が好きなんだ。
"X-MEN"もそうだ。
突然変異で発生した人間と変わらない”ミュータント”たちの悲哀と、
彼らが存在することで歪んだり戸惑ったりする日常。
純粋な悪とか善とか勧善懲悪とかそんなものはなくて、
”少しフシギな”ことから始まる物語。
 
そう思うと、
小学3年生の頃に出会ったドラえもんから、
けっこう自分の趣味嗜好が影響されてるなぁと思う。
僕は進学して新しい環境になったり、
例えば初めてコンピュータが我が家にやって来たり、
そういう瞬間がめちゃくちゃ好きだ。
ついでにこっそりプレゼントを用意して不意打ちしたりすることも。
 
映画でも本でも音楽でも、なんとなくルーツがある。
物語に対する時、公言するにはちょっと恥ずかしいのだけれど、
僕の場合は”藤子先生の短編”と”ドラえもん”かな。

 



 
 
<以前にあったドラえもんの記事>

2005.04.22「リアルに攻めてみた」
http://blog.so-net.ne.jp/nalfalfa/2005-04-22
2005.07.21「絵が上手になる道具クダサイ!」
http://blog.so-net.ne.jp/nalfalfa/2005-07-21
 
 
  
記事アップ後にちょこっと探してみたら。

藤子・F・不二雄SF短編PERFECT版 (5)

藤子・F・不二雄SF短編PERFECT版 (5)

  • 作者: 藤子・F・不二雄
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2000/11
  • メディア: 単行本


 
 
あった!
 
つーかこのシリーズ、僕2冊だけ買ってました。
2000年発売なんで……。
三十路過ぎてから、買ったってことですよね…(汗)


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コメント 7

 こんにちは。
子供の頃は”ドラえもん”が苦手でした(汗)
でもはじめて買ったレコードは なぜか”ドラえもん”(*^.^*)
大人になってからの方が 作品の素晴らしさが分かるようになりました!
 ”X-MEN”や ”藤子・F・不二雄SF短編PERFECT版 (5)”など
nalさんのルーツを垣間見たようで 記事を楽しく拝見させて頂きました。
by (2007-02-26 12:17) 

りうが

トモダチに借りて読んだり。ピアノの先生の、順番待ちで読んだり。
とにかく、自分の手元に無くて、とてもうらやましかった、ドラえもんにかぎらない「マンガの本」。
オトナになってからいっぱい買いました、ワタシも(笑)
それもこの前、「こども部屋」の準備のため、全部古本屋に売りました(涙)
スネ夫から、マンガ借りたり、のび太が草むしりとかでお小遣い貯めて発売日にマンガを買いに行く様子って、最近見ない気がする。
本屋自体がなくなってるし・・・・
by りうが (2007-02-26 14:35) 

アキオ

ドラえもん。
友達の家で全巻揃ってたな〜、、ってのを思い出しました。
つまりは、借りて読んだ、と。

みんなで回し読み、そう言う事も減ってんのかな、今の時代。。
by アキオ (2007-02-26 15:49) 

knacke

こっちでね、時々、「どら焼きってどーゆーもの?」って、
聞かれることがあるのね。
「パンケーキでじゃぱにーずすいーつをはさんだもの。」
って、説明するんだけど、どーやらドラえもんを見て、
気になって聞いてくるらしい。(笑)
こちらにアニメショップなるものがあります。
ニホンのアニメがいっぱい。
ガイジンのおたくの聖地です。
みんな、ワタシより詳しい〜。(笑)
by knacke (2007-02-27 02:07) 

藤子不二雄アニメはよく見てたし、
漫画も読んでたけど・・・
SF短編集があったなんて知らなかったデス(゚▽゚*)
by (2007-02-27 06:13) 

nal

>sakuranboさん
今考えると、不条理ながらちゃんと道徳的に筋は通ってる気はしますね。のび太は他人(他物?)たよりだけど結局報われない、みたいな。で、たまに自分の力で頑張るんですよね…。
>りうがさん
買ってもらえないご家庭も多かったと思います!ウチは大量にありましたけどね…(ニヤ)今でも実家の屋根裏に積んであると思います(どーするかは知らん…)
>アキオさん
ウチも30巻くらいまでは多分あります。その辺で中学生になったのか…んー憶えてない……。貸し借りはゲームソフトとかじゃないんですかね、イマドキは…マンガもあまり読まないって言いますし…。
>きむたこさん
そーなんだぁ!!!(笑)ドラゴンボールとドラえもんは凄まじいんですよね、確か。
by nal (2007-02-28 09:59) 

nal

>たろうさん
面白いですよ!!今読んで面白いかどうかは保証出来ませんが(笑)
by nal (2007-02-28 10:00) 

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